ぶろぐ日和

不登校再発でモヤモヤした母の気持ちをブログで解消させていただきます→おかげ様で現在学校に通えるようになりました。こでまでの想いや日々の発見などを綴ります。


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不安感を消す方法~ドイツで7割以上に効果のあった新治療法が画期的!

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2018年の文科省の調査によると、小中学生の不登校の原因1位は「不安の傾向にある」36.8%、2位は「無気力の傾向にある」27.7%、3位は「学校における人間関係に問題を抱えている」12.6%でした。

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うちの子の場合、不登校の理由はよくわからないと言っていて、不登校になり始める前に、確かに遊びの延長の様ないいじめにはあっていたのと、それが原因かどうか、長期休み始めて増々行きづらくなったのもあるのかと思います。でも少し無理をして学校に連れて行ったときも、誰にも見られたくないという思いが強く、全く知らないような他の学年の子にも姿を見られたくなくて隠れていました。

自分で行けるかなぁと思って学校へ一緒に行った時も、校門の前まで行くと足が止まるのです。今日は楽しみな授業があるから、と用意するまでは普通に出来て、いざ玄関の扉を開けようとした時に足が止まることもありました。学校へ行けても、緊張がものすごくて、手汗が半端ないそうです。

病院へも何件か連れて行って相談しましたが、身体的には異常はなし。寝る前にブルーライトを見ないように、とか規則正しい生活をするように、とアドバイスされて終わりました。一度薬を処方されたこともありますが、副作用と依存が怖かったので、飲ませず、その病院は行くのを止めました。

(目次)

 

世界でも増えている不安障害

不安障害(Anxiety Disorders)は日本では平成8年には46.6万人だったのが、平成23年には57.1万人と増えています。(厚生労働省データより)

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ドイツでは1200万人、アメリカでは4000万人、WHOの2015年の統計によると、世界で2億6400万人、2005年に比べて14.9%も増加したそうです。

なぜこんなに増加しているんでしょうか。

不安障害の考えられる原因と薬以外の主な治療法

不安障害の要因としては
  • 遺伝
  • 脳内ホルモンバランスの乱れ
  • 脳のGABA濃度の低下
  • アルコール、カフェインの摂りすぎ

などが考えられますが、はっきりとした原因はまだわかっていないようです。

薬以外の治療法としては
  • 認知行動療法
  • 自律訓練法
  • 森田療法
  • マインドフルネス認知療法

などがあります。

それぞれ簡単に説明すると

 認知療法・認知行動療法  

  治療は対面式の面接が中心で、

どんな場面で症状が起きるか、その時にどんな事を考え、どんな行動をとるのか、不安になっている時注意がどこに向くかなどをカウンセリングして、自己分析させる→

ホームワークで実生活で不安な場面が起こったときの危険回避行動をとった時ととらなかった時の違いを自己分析させる→

不安が起こるような場面を予測させて、危険回避行動を取らなかった時に何が起こるかを予測させて、実際の結果を自己分析させる→

→「自分で考えるところの人から見られている自分」と「実際に人から見た自分」の差、自分が考えてしまう恐れる結果と実際の結果が違うことを認識させる

など、何度もカウンセリングを繰り返し、患者の考えや思い込みを修正させていく治療です。

参考)

厚生労働省「社交不安障害(社交不安症)の認知行動療法マニュアル(治療者用)」

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000113841.pdf

 

自律訓練法

自律訓練法とは、自己暗示によって心身のリラックス状態を作り出す方法です。

気持ちが落ち着いている、手足が重たい、手足が温かい、心臓が静かに打っている、呼吸が楽になっている、お腹が温かい、額が涼しいと公式を順番に心の中で唱え、実際に手足の温度の上昇などを感じます。その後で、それを消去する動作をとり、自己暗示で心身の緊張を取る方法です。

参考)Wikipedia 自律訓練法

自律訓練法 - Wikipedia

森田療法

入院して治療していくのが伝統的な治療スタイルで、臥褥期(がじょくき)、軽作業期、作業期、社会復帰期、と1か月~3か月程の入院で治療を受けます。臥褥期(がじょくき)は横になってすごし、不安な考えが浮かんできても、あるがままに受け入れます。軽作業期は部屋の片づけや陶芸など、一人でできる簡単な作業を行います。作業期は植物の水やりや犬の散歩などを当番で行ったり、グループで話し合ったりしながら共同作業を行います。社会復帰期は外出や外泊、病棟から学校や会社に通ったりすることもあります。

現代は入院ではなく外来で森田療法を行うのが主流のようです。外来でカウンセリングを受けながら森田療法の考えを身に着けていくようにします。

患者は不安や症状があるとそこに集中してしまって増々悪循環になってしまいがちですが、不安を排除しようとするのではなく、目的を行うことに集中し、気分に左右されず、いかに不安症状と付き合っていくかを考えていく方法です。

 参考)

森田療法とは | 東京慈恵会医科大学 森田療法センター

インドフルネス認知療法

 今の瞬間をあるがままに受け止めるというマインドフルネスを基礎とした心理療法で、心に浮かぶ思考、感情を良い悪いと決めず、ただ思考が浮かんだことを一歩離れて観察し、あれこれ考えすぎないよう、今現在に意識を集中するという状態を日々の生活の中で習慣的に行えるように訓練する方法です。

 参考)

マインドフルネス認知療法 - Wikipedia

ドイツで行われている新しい療法

そして今回調べている中で見つけた本に興味深い方法がありました!

ドイツのクラウス・ベルンハルトという医療・科学ジャーナリスト・ハイルプラティカー(註)の方が書かれた「敏感すぎるあなたへ~緊張、不安、パニックは自分で断ち切れる」という本です。

註)ハイロプラティカー :自然療法を中心にした代替医療を行うドイツ独自の国家資格で、日本の臨床心理士に近いが、診断や治療などの医療行為を行うことができる。

 

2016年に出版されて以来口コミでたちまちベストセラーになり、実際にこの療法で著者の患者さんの7割が6回以下のカウンセリングで不安から開放されたそうです。

筆者が言うには、脳研究が驚くほど発達した現代で今行われている治療はほとんど進歩のないままだ、と。

パニック発作が現れるときに脳では何がおきているのか、終わらせるにはどうすればいいのかというのはもう研究でわかっているので、その研究に基づいて著者が改良を重ねて考案した療法だそうです。

私も買って読みましたが、確かに、無意識が警告しているという不安が起こるしくみ、その前に現れる肉体的な前兆、検査を受けても何も見つからない理由、前兆の時点で予防する方法、発作が起きないようにする脳の改造論など、どれも納得のいくものでした。

少しだけ紹介すると、「テンセンテンス(10の文章)」という方法で、ネガティブになった脳の回路をポジティブの回路に作り替えるというやり方です。

他にも発作が起こったときに行う、「パターン・インターラプト」も普通では思いつかないような画期的な方法です。

kindle版だと1244円で買えます。気になるかたはまずAmazonの「中身!検索」で読めるところまででもいいのでぜひチェックしてみてください。

 

おわりに

上記の不安障害の治し方はどれも共通点がありますが、不安障害が脳の神経回路の信号異常であるならば、そのしくみをふまえたクラウス・ベルンハルトの方法は的を得ていると思いました。

これだけ多くの人が苦しんでいる中、現代生活の何かが原因で、その治療、予防はどうすればいいのかは近いうちに必ず見つかると思いますが、今つらいのでできるだけ早く抜け出したいし、解放させてあげたいです。

見ている家族もつらいですが、早く治して復帰しなきゃいけないというプレッシャーを与えないようにしつつ、穏やかな生活を送れる方向に持っていければいいなぁと思います。